私がメインで投資しているETFは上場投資信託と呼ばれ、簡単にいうと投資信託の透明性を高め、株と同じように取引時間中であればいつでも取引できるようにした商品です。
今回の記事では海外ETFに的をしぼって、海外ETFに投資するメリットを投資信託と比較して解説します。
■海外ETFに投資するメリット
海外ETFに直接投資するメリットは以下の3点があげられます。
- 全世界で取引されるので流動性が高い
- 手数料が圧倒的に安い
- ドル建ての資産を持つことで通貨の分散になる
全世界で取引されるので流動性が高い
まず1つ目は流動性の高さです。
流動性が高いというのは、取引されている量が多いということです。
参考に私が投資している4つのETFの純資産残高(2021年5月時点)を掲載します。
銘柄 | 資産残高 |
VTI(米国株) | 26兆2200億円 |
VEA(米以外先進国株) | 10兆7000億円 |
VWO(新興国株) | 8兆7110億円 |
AGG(米国総合債券) | 9兆5197億円 |
2年前と比較すると特にVTIの純資産残高の増加が大きく、2倍以上になっています。
金融緩和の影響でETFにも大量の資金が入ってきているのでしょうね。
海外ETFとの比較として日本で人気の高いeMAXISシリーズの全てのファンドの合計純資産総額はちょうど1兆円を突破しました(2021年4月時点)。
この事実からするとVTIはeMAXISシリーズすべての投資信託の25倍の純資産総額なので、海外ETFが圧倒的な規模だというのがわかります。
商品が売られたのが海外ETFの方が前というのが理由の一つですが、もっとも大きいのは海外ETFは世界中の投資家に買われているという点です。
長期投資で重要なことの1つは、長期間継続して投資を行うことなので、投資している対象が途中で無くなってしまっては、せっかく積み上げた利益に税金がかかってしまい、投資のパフォーマンスを下げる要因になってしまいます。
手数料が圧倒的に安い
先ほど説明した純資産残高が大きいということにはもう一つ大きなメリットがあります。
それは圧倒的な純資産残高を活かして、経費率を下げられるということです。
なぜならファンドを運営するのに例えば1億円のコストがかかったとしても、純資産が大きければ大きい方がかかったコストを回収するのに必要な経費率を小さく抑えられるからです。
・コスト1億円=純資産残高×経費率
参考に私が投資している4つのETFの経費率(2021年5月時点)を掲載します。
銘柄 | 経費率 |
VTI(米国株) | 0.03% |
VEA(米以外先進国株) | 0.05% |
VWO(新興国株) | 0.10% |
AGG(米国総合債券) | 0.04% |
比較として再び日本で業界最安の経費率をうたうeMAXISシリーズの似たようなファンドと比較してみます(2021年5月時点)。
銘柄 | 経費率 |
eMAXISSlim米国株式(S&P500) | 0.0968% |
eMAXISSlim先進国株式 | 0.1023% |
eMAXISSlim新興国株式 | 0.1870% |
eMAXISSlim先進国債券 | 0.1540% |
経費率は保有している資産に毎年かかってくるものなので、長期的な投資成績に大きく影響してきます。
また最近はつみたてNisaの制度などが始まり、日本でも投資信託の経費率が注目されるようになり、経費率の安くていい投資信託がどんどん出てきています。
そのような状況の中で自分が投資している投資信託よりも安い経費率の商品が現れると、新しい商品に乗り移り、気がつけば自分のポートフォリオの投資銘柄が増えすぎて何をやっているのかわからないような状況に陥ってしまうことがあります。
海外ETFの場合は安定した低経費率なので、経費率で目移りすることが少なくなります。
ドル建ての資産を持つことで通貨の分散になる
みなさんの資産は日本円以外にもありますか?
多くの人は日本円のみで資産を持っているかと思います。
投資では分散投資が重要と言われますが、通貨の分散というのはあまり言われません。
これまでの日本は経済の規模がどんどん大きくなり、一時は世界2位までになりました。
今は中国に抜かれ世界3位ですが、今後はどんどん下がってくる見込みです。
そうなると日本円の価値も連動し、どんどん下がってくることが予想されます。
そこで活きてくるのが、通貨の分散です。
海外ETFにドル建てで投資することで、日本円以外の通貨に分散して持ったことになります。
これでちょっとは安心。
(海外に投資する投資信託を持っても為替変動の影響を受けるため、間接的には海外通貨の資産を持ったことになります。)
■まとめ
海外ETFへ投資するメリットを投資信託に投資する場合と比較して解説しました。
海外ETFに投資するのは少々手間がかかるものの、資産の安定性や安い維持経費率を考えると長期投資に向いていると思います。
興味があればトライしてみてください。