今回の記事ではAIにお任せして資産運用ができるWealthNaviとTHEOを比較して紹介します。
両者に積立投資した結果と全世界株式インデックスに投資した結果を比較し、その有効性もみてみたいと思います。
■WealthNaviとTHEOの特徴
WealthNaviの特徴
WealthNaviは2016年7月から開始されたサービスで、5段階からリスク許容度を選んで毎月の投資金額を決めれば、自動的に運用をしてくれるというものです。
5段階からリスク許容度を選ぶというと難しそうですが、WealthNaviが用意している6つの質問に答えれば、自分に合ったリスク許容度がわかるというサービスになっています。
投資対象としているのは、流通量の多さと手数料の安さから以下の7つのETFとなっています。
この7つのETFへの投資配分は、ノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコウィッツ氏が発表した「現代ポートフォリオ理論」を元に決められています。
WealthNaviをまとめると、リスク許容度と毎月の積立額を決めてしまえば、やることは何もなく、「現代ポートフォリオ理論」を元に、新規の買い付け・運用・リバランスを全て自動で行ってくれるというサービスです。
THEOの特徴
続いてTHEOについて解説します。
THEOは2016年2月から開始されたサービスで、最大で30種類以上のETFを使用し、個人の年齢やリスク許容度に合わせて231通りのポートフォリオから最適なものを選び、自動で運用してくれるというものです。
THEOは「現代ポートフォリオ理論」と「資産価格の実証分析」をアルゴリズムとして採用しています。
さらに市場価格の値動きだけでなく、企業の利益なども盛り込んだ「スマートベータ運用」を手法として取り込み、
さらにさらに下落リスクを下げるためにAIが世界のニュースや下落しそうな数値を事前にキャッチし、運用に生かす「AIアシスト」も機能として盛り込まれています。
なんだかすごそうですね。
これだけモリモリ盛り込まれると、ありがたさが出てきます。
THEOをまとめると、運用方針と毎月の積立額を決めてしまえば、やることは何もなく、「現代ポートフォリオ理論」「資産価格の実証分析」「スマートベータ運用」「AIアシスト」を元に、新規の買い付け・運用・リバランスを全て自動で行ってくれるというサービスです。
WealthNaviとTHEOの比較
WealthNaviとTHEOの特徴が出そろったところで、両者を比較してみます。
WealthNavi | THEO | |
サービス開始 | 2016年7月 | 2016年2月 |
運用資産2020年12月時点 | 3200億円 | 1000億円 |
投資対象 | ETF7種 | ETF30種以上 |
アルゴリズム | 現代ポートフォリオ理論 | 現代ポートフォリオ理論+α |
手数料 | 約1% | 約1% |
積立金額 | 1万円〜 | 1万円〜 |
最低投資金額 | 10万円 | 10万円 |
WealthNaviとTHEOの共通点としては、初めに運用方針と積立金額を決めてしまえば、自動的に買い付け・運用・リバランスを行ってくれるという点です。
また両者ロボアドの最大のデメリットは1%近くの手数料を毎年取られるというところです。
例えばつみたてNisaでポートフォリオを組んで投資をする場合の手間をみてみます。
個人で投資信託に投資する場合は、
- 投資銘柄を決める(始めだけ)
- 毎月投資信託を購入(これは自動でやってくれる)
- 数ヶ月に一度リバランス(必要な時だけ)
という作業が必要です。
1と2の作業については両者ロボアドと同じなので、個人で運用する場合に追加で必要となる手間は3のリバランスぐらいですね。
■WealthNavi VS THEO VS 楽天・全世界株式インデックス
WealthNaviとTEHOと私が個人的に投資している楽天・全世界株式インデックスファンドの成績を比較してみます。
比較したのは2018年12月から2021年4月(THEOは2021年2月)です。
コロナショックが起きた2020年3月は楽天・全世界株式インデックスファンドが大きく落ち込んでいますが、それ以外は楽天・全世界株式インデックスファンドが優位に立っています。
債券を含むか含まないかが大きく成績に影響が出た結果となっています。
THEOは運用成績が悪かったため、2021年2月で運用をやめました。
WealthNaviに運用期間中1度も勝つことがなく、これ以上運用していても仕方ないと判断しました。
WealthNaviは「現代ポートフォリオ理論」のアルゴリズムにしたがって運用するので、AIというよりはEA(自動売買)程度の運用手法です。
THEOはAIを使っているようなので、今後AIの精度が高まってくればもしかしたら成績もよくなってくるかもしれません。
■まとめ
WealthNaviとTHEOについて特徴と運用成績を楽天・全世界株式インデックスと比較してまとめました。
運用の手間としては個人で投資信託に投資しても正直あまり手間はかからないので、ロボアドに支払う手数料1%はノーベル賞アルゴリズムやAIを使うためと言ったところでしょうか。
これが高いととるのか、安いととるのかは個人次第です。
正直な感想としては、もう少し運用成績がよくなると1%の手数料を喜んで払ってもいいと思います。
コロナショックの際のロボアドの下落率の小ささは見事だったので(債券を含むので当たり前かもしれません)、その時点でAIが株高になることを見込んでポートフォリオを株式ETF重視に置き換え、徐々に債券比率を上げていくようなアルゴリズムにしてくれれば、運用成績も上がり、1%の手数料も払ってもいいと思うのですが。
今後もロボアドと投資信託の成績を比較していきます。
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