FXの広告やブログなどを見ると、しばしばレバレッジという言葉が目につきます。
レバレッジというのはよく「てこの原理」と説明され、持っている資産以上の大きな金額を取引できるようにする仕組みのことです。
FXの場合は当たり前のようにレバレッジを使って取引を行います。
一方、株式投資では一応レバレッジをかける商品はありますが、長期投資においては主流ではありません。
今回の記事では、FXの値動きの特徴となぜレバレッジをかけて取引する必要があるのかを株式投資の場合と比較して考えてみます。
■FXと株式の値動きの特徴
・株式の値動きの特徴
まずはじめに株式の特徴を実際のチャートで確認してみます。
以下のチャートは米国株式全体に投資するVTIというETFのチャート(表示期間は2017年9月〜2021年6月)です。
2020年3月にコロナショックの影響で大きく下がりましたが、基本的には右肩上がりなのがわかるかと思います。
もっと長期だと分かりやすいので、おなじみシーゲル先生のチャートものっけておきましょう。
とまぁ、株式は基本的には右肩上がりです。
右肩上がりなので、取る戦略としては一度買ったら長期保有という戦略が有効です。
特に難しいことをしなくても十分な利益がでるので、このようなほったらかし戦略が使えます。
・FXの値動きの特徴
続いてFXの値動きの特徴を実際のチャートで確認してみます。
以下のチャートは私たちになじみのあるドル円チャート(表示期間は先のチャートと同じ)です。
このチャートをぼんやりと眺めると、102円ぐらいが下限で、114円ぐらいが上限になっているのが分かります。
FXの場合は株式と違って、何か価値のあるもの(企業の資産価値、企業の利益など)に投資するわけではなく、国と国(ドル円なら米国と日本)の相対的な価値を元に通貨のやりとりを行うので、こういったある一定のレンジを行ったり来たりする相場になりやすい傾向があります。
右肩上がりではなくレンジ相場なので、例えばレンジ上限付近の114円で売って下落したら利益を確定、反対に下限付近で買って上昇したら利益確定というようなことを繰り返して利益を積みあげていきます。
■FXではなぜレバレッジをかけるのか
ここまでの説明をまとめて説明するために、先程の株式代表とFX代表を同じグラフで表示します。
代表同士が一同に会したグラフでは、株式投資が右肩上がりで、FXがレンジというのがなんとなく分かります。
つづいて同じグラフの始まり地点(2017年9月)を1としてそれ以降を指数化して表示してみます。
指数化したグラフをみると株式の方は見た目があまり変わりませんが、ドル円の方は
「えっ、動いてんの?」
ってぐらい値動きがちっこくなりました。
株式では年間30%上下することはよくありますが、FXで30%も値動きがあると大変なことになります。
100円だったドル円が70円まで下落すると大変な円高騒ぎです。
先程のグラフをみてわかるように、株式に比べFXは値動きが小さいため、レバレッジをかけて相対的に値動きを大きくする必要があります。
そうしないと利益が小さすぎるから。
でもレバレッジも掛け方を間違えると、ロスカットとなり痛い目に会う可能性もあるので注意が必要ですね。
また株式にもレバレッジがかかった商品が結構人気です。
SBI証券では結構上位(以下の図では4位)にレバレッジ商品が食い込んでいます。
知識がある方ならこういった商品も良いのでしょうが、ただレバレッジをかけて利益がたくさん出るからと初心者が手を出すと、大きな痛手となる可能性があります。
先に解説したように、そもそも株式の値動きはレバレッジをかけなくても大きいからです。
ガツーンと下落した後であれば、レバレッジ商品に少額手を出す程度なら面白そうですけどね。
掛け捨て程度で。
じゃ。
私が資産運用についてまとめたHP→くわにゃんの長期資産運用