先日「楽天ってスマホ事業で赤字を出してるっぽいけど儲かってんのかな?」という考えがふっと浮かびました。
別に楽天の株を買っているわけではないのですが、最近楽天のサービスをよく使うようになって、ちこっと気になったので、楽天グループの決算資料をのぞいてみることにしました。
今回の記事は楽天グループの決算を見ていて気づいた点を書きたいと思います。
■楽天の決算
もともとの楽天に対する私個人のイメージとしては、楽天は証券にしろ、保険にしろ、ラクマにしろ、いろんな他社がやっているサービスをパクっているだけじゃん。
ってもので、あまり良いイメージは持っていませんでした。
でも今や従業員は2万人を超え、日本の一大企業にまで成長しました。
今では楽天経済圏と言われるまで成長し、ここまでくるとすごいなぁと純粋に思うようになりました。
そんな楽天の最近の4半期ごとの売上高は次の通りです。
事業内容としては大きく3つです。
- インターネットサービスセグメント
- フィンテックセグメント
- モバイルセグメント
【インターネットサービスセグメント】
このセグメントは、もともとの創業した時のビジネスである楽天市場が該当します。
その他にも楽天ファッション、ラクマ、楽天ブックスなどがこのセグメントに含まれます。
このセグメントは、楽天グループのコア事業であり、売上としても一番多くなってます。
【フィンテックセグメント】
フィンテックは、楽天銀行、楽天証券、楽天カード、楽天ペイ、楽天保険などです。
このセグメントはここ最近急激に伸びてきている感がありますね。
一昔前までは、ネット証券といえばSBI証券という感じでしたが、今は新規の口座開設数でいうと楽天証券がトップのようです。
【モバイルセグメント】
最後は2018年に設立された楽天モバイル事業です。
1年間無料キャンペーンや大々的にCMを行っており、かなり力を入れているのが分かります。
さて先ほどは売上の推移を見ましたが、次は営業利益を見てみます。
赤字やん(//∇//)
トータル(折れ線グラフ)では3ヶ月で600億の赤字。
しかもここ最近はずっと赤字。
細かく見てみると、フィンテックが安定して高い利益をあげているのが分かります。
やっぱり金融って儲かるんですね。
本業よりも儲けている時があります。
インターネットサービス事業は、Amazonもそうですが利益率はあまり高くありません。
ビジネススタイル的に仕方のないことかもしれませんね。
問題はモバイル事業です。
めっちゃ赤字。
むしろモバイルだけで全体の黒字を全部吹き飛ばしています。
■三木谷社長の起業家精神
この楽天の決算資料を見ていると、三木谷社長の起業家精神ってすごいなぁと思います。
もともとはEC事業(楽天市場)で起業し、その後フィンテックとも融合させて順調に利益を拡大してきました。
そして突如2017年末にモバイル事業への参入を発表。
ドコモ、au、ソフトバンクという超巨大企業が独占する中、単独で斬り込むわけです。
設備投資による赤字は目に見えています。
私が楽天の社員だったら、
「社長、もうやめましょうよ。十分利益出てんすよ。これ以上欲を出すと痛い目見ますよ。ボーナス大丈夫なんですか?」
と言いたくなります。
実際に主力の楽天市場・フィンテックで上げた利益を余裕で吹き飛ばす以上の赤字となっています。
でもここで書いたのは、いちサラリーマンの考えた内容であって、起業家である三木谷社長が考えていることはもっと壮大です。
楽天のモバイル事業では、モバイルからの収益の他、モバイルユーザーを増やすことで、楽天市場や楽天銀行などのサービスの利用増を見込んでいるようです。
さらに楽天モバイルは、通信機器をクラウドに置き換え、通信ネットワークの整備、運用コストを低減する「仮想化」という技術を開発し、この通信インフラ技術を海外に輸出しようという考えです。
先日その第一弾としてドイツの通信事業者である1&1への提供が決まり、10年で1000億円程度の売り上げになるようです。
将来的には、数千億円から1兆円を超える売上高になることを見込んでいるんだとか。
うまくいけばAmazonのAWSみたいに自社開発したものが利益の半分以上を占めるようになるかもしれませんね。
実際すべてがシナリオ通りにいくかは分かりませんが、すごいなぁと思います。
■一転、投資家は楽だ
さて、リスクを果敢にとって、安定して稼げるようになってもその場所に留まることなく、常にチャレンジ精神を持つ起業家ってすごいなぁと思います。
それが楽しいんでしょうね。
世界にはテスラのマスク氏やAmazonを作ったベゾス氏などいろんな起業家がチャレンジ精神でいろいんなことに挑戦しています。
これらの起業家も初期の頃は資金繰りに奔走し、潰れるかどうかのギリギリのところで踏ん張って、なんとか今の地位にまで成長させました。
すごいですね。
一転、投資家はというと、リスクはあるもののこれらの企業に投資するだけで、利益の一部をもらうことが出来ます。
労力はほぼゼロです。
ただ資金を出しているだけ。
リスクと言っても最悪はゼロになる程度で、余剰資金で投資をしている限り、身ぐるみを剥がされることはありません。
そう考えると投資家って楽だなぁと思っちゃいますね。
株式というシステムをつくってくれた人に感謝。
今は日本にいても世界中の情報を仕入れることができ、家にいてポチポチすれば世界中の株を買うことができます。
テスラもAmazonも、なんでも。
しかも投資信託というシステムを使えば、S&P500だって全世界の企業の株だってポチポチすれば買えます。
それだけで優秀な起業家が行う事業の利益の一部をもらうことが出来ます。
あ〜、今の世の中に感謝!!!
じゃ。
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