「お〜い!竜馬」という漫画を知っていますか?
今から30年ぐらい前に描かれたものです。
たしか私が小学生の頃、テレビアニメで放映していて良くみていたのを覚えています。
その後高校生になって、10巻ぐらいまでマンガを買って読んだものの、小遣いが少なく途中で諦めたきりでした。
竜馬については、大学生の時に司馬遼太郎さんの長編小説「竜馬がゆく」で読んだことがあったのですが、今回マンガ版の竜馬を読んでみたくなったのは、以下の記事に書いた本がきっかけです。
マンガの「お〜い!竜馬」は全23巻、緊急事態宣言中のありあまる時間がちょうどいい機会だと思いKindleで大人買いして読破しました。
今回の記事では、幕末の時代に飛び抜けたビジョンを持ち、全ての日本人のために人生を尽くした坂本竜馬について書きたいと思います。
武田鉄矢がインタビューで言っているように、「お〜い!竜馬」は史実とフィクションのギリギリのところをねらったマンガという点を加味してお楽しみください。
ちなみにKindleで私が先に読み始めたはずが、何もすすめてないのに嫁さんも後から読み始め、気がつくと私を追い越して読破していました。
それほど面白いマンガです。
竜馬の生い立ち
竜馬が生まれたのは四国の高知県です。
かつては土佐と呼ばれ、戦国時代は長宗我部という武将が四国全体を治めていましたが、関ヶ原の合戦で敗れ、その後山内一豊が土佐藩主としてやってきます。
もともと土佐にいた長宗我部家の武士を「下士」、山内家の武士を「上士」といい、武士といえども下士はものすごい差別を受けていました。
そんな下士の家の子として竜馬は生まれます。
小さな頃はもじゃもじゃ頭をイジられる上に泣き虫、弱虫、頭は馬鹿というダメダメな状態。
実際に通っていた塾からは出来が悪くて追放される始末でした。
そんな竜馬も大きくなると剣術の腕が認められ、藩公認で江戸三大道場の筆頭であった千葉道場への剣術修行を行うまでになりました。
ちなみに千葉道場は今の八重洲にあったようで、今はビルが立ち並ぶ中、千葉定吉道場跡を知らせる看板がひっそりとたっています。
実はこの通りはよく車で通っているのですが、「お〜い!竜馬」を読んでからは「ここに竜馬がいたんだなぁ」と感慨深く思うようになりました。
脱藩して勝海舟に弟子入り
さて順風満帆に成長して行った竜馬ですが、ペリーの黒船来航により竜馬の人生というか日本の将来さえも変わり始めます。
ペリー来航によってアメリカには勝てないと踏んだ幕府の対応に不満を持ち、「外国人なんて追放してしまえ」という、いわゆる「攘夷」という考え方に日本中が支配されるようになりました。
薩摩と長州はそんな攘夷の急先鋒でした。
しかし薩摩と長州は「攘夷!攘夷!」と攘夷に突き進んで行ったものの、両藩とも欧米列強にボコボコにやられ、
「攘夷、無理じゃん?てか、倒幕じゃね?」
となって行きました。
幕末で幕府を倒そうとしたのは主に長州藩と薩摩藩、それと土佐藩ですが、薩摩・長州が殿様をうまく利用して藩全体として倒幕へと動いて行ったのに対し、土佐藩だけは下士が動こうとしても上士達に弾圧され続けるという微妙な立ち位置でした。
竜馬はそんな土佐藩に見切りをつけ、脱藩します。
脱藩というのは藩を脱出することで、見つかれば死罪になるという厳しいもの。
脱藩しても食べるものはないし、お金を持ち歩くのにも限度があるし、当然ATMなんてないし、大変なんていうもんではありません。
さらに大阪や江戸まで舗装されてない道を草履で歩いて行く必要がありました。
日本の未来のために。
当時では普通のことなんでしょうが、普通にやっていたことを読むだけでも「すげーなぁ」と思ってしまいます。
脱藩した直後の竜馬は何をすればいいのか分からず、孤独感を味わっていましたが、ある時仲間内から幕府の要人で外国のとりこになっている勝海舟を斬れと言われ、人生で初めて人を斬りに出かけます。
結果、、、
弟子入りして帰ってきました。
これが運命の出会いで、竜馬は勝海舟から世界情勢と海軍の必要性、日本の未来のビジョンを学びます。
実際に竜馬はこの後、亀山社中という日本で初めてのカンパニー(現三菱グループ)を作りました。
その狙いは外国の船を買って、貿易をやりながら儲けたお金で船を追加で買って行き、やがては自分で海軍(海援隊)を作ろうというものでした。
そしてこの頃、竜馬がお姉さんに向けて
日本を今一度せんたくいたし申候
と手紙を書いています。
勝海舟に弟子入りした翌年です。
そして世の中は討幕へと流れて行き、竜馬は数々の偉業を成し遂げて行きます。
竜馬の偉業
竜馬が行った偉業を2つあげます。
薩長同盟
薩長同盟というのは、薩摩藩と長州藩に同盟を組ませるというものです。
「それ歴史の教科書にのってたから知ってる。手を組ませるだけだから簡単じゃん。」って思いますよね。
薩摩と長州は同じ討幕という思いを持ちながらも、実は京都で何度も戦いあっており犬猿の仲です。
特に長州の人たちは幕府側にもうまく擦り寄ろうとする薩摩が大嫌い。
なんども屈辱的な敗北を受けています。
草履の裏に「薩賊会奸」と書き、毎日薩摩への恨みを忘れないようにしていたほど。
薩摩と長州に顔が効く竜馬といえど、薩長同盟なんて言えば、瞬時に斬られる可能性があるレベルです。
しかし竜馬は薩摩と長州を手を組ませる以外に日本の未来はないと考え、そのビジョンを決死の覚悟で両藩に伝え、薩長同盟へとこぎつけます。
大政奉還
さて薩長が同盟を組んだ後は倒幕へと進んでいくだけです。
ところが竜馬はさらに将来を見通します。
「もしここで薩長と幕府が戦えば、日本が大混乱に落ち入り、その隙に欧米列強が日本を植民地として清国のようになってしまう」と考えます。
それを回避するためには、幕府に政権を放棄させて、天皇を中心とする政治・世の中を作るしかないと。
いわゆる大政奉還ってやつです。
歴史を知っている自分でも読んでて思いました。
「えっと、無理っしょ。それ言うと確実に斬られるよ。」
と。
この状況からどうやって大政奉還まで持って行ったんだろうと、ドキドキワクワク。
しかも竜馬は幕府が政権を放棄した後のことまで考え、将軍徳川慶喜を新しい政府の要職に付けようともしていました。
結局、歴史の通り竜馬が発案した(徳川家が新政府に残る件以外)大政奉還がとり行われ、徳川慶喜は260年続いた徳川幕府を解体しました。
世界の歴史を見ても、これほど強大な政権が戦わずして幕を閉じたことはないようです。
竜馬が死んだ後は結局戦うことになりましたが。
そして大政奉還の後、薩摩、長州、土佐でどういう役職に誰を付けるかも竜馬は案として考えていましたが、そこには竜馬の名前はありませんでした。
その理由は役人をやりたくないからというものでした。
そんな竜馬に西郷隆盛が
「役人がいやなら・・・坂本さァは・・・なんばやられもす!?」
と聞くと、
そうさな、世界の海援隊でもやりますかいのう
と。
やることだけやって、その見返りは全く受けない姿勢、これまたかっこいいですね。
最後はご存知の通り、何者かに暗殺されて竜馬の人生は幕を閉じました。
まとめ
マンガは普段あまり読まないのですが、久しぶりに読んだ「お〜い!竜馬」は一気に読んでしまいました。
竜馬が抱えていた問題に比べれば、サラリーマンの私が抱えている問題なんて「屁みないなもの」というか「屁」です。
失敗しても私は斬られませんから^_^
また全体を通して竜馬の明るさや、愛嬌、愛情が溢れており、これはマンガのいいところかもしれません。
北辰一刀流という一流の剣術遣いである竜馬が人を斬ることなく幕末という動乱の世の中を生き抜いたということからも竜馬の優しさ、愛情があふれ出しています。
また薩長同盟にしても大政奉還にしても自分のためではなく、身分制度がなく自由で幸せな世の中をみんなが暮らせるように日本人全員に対して愛情をもって生きぬいたサムライ。
それが坂本竜馬だと思います。
かっこいい。
同じ日本人にこんな人がいたかと思うだけで嬉しく思い、同じ日本人に生まれたことを誇りにさえ思ってしまいます。
そんな竜馬が今の世の中を見たらこう言うんじゃないでしょか。
ほぅか。
自由な世の中がやってきたがか。
人生を賭けて頑張った甲斐があったきね。
自由な世の中では、みんな生き生きと幸せに暮らしゆうが?
じゃ。
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