急速に円安が進んでいます。
原因はいろいろありますが、通常であれば今のウクライナのような状況になれば安全資産である「有事の円買い」となり、円高が進むのがこれまでの流れでした。
でも今は急激な円安となっています。
今回の記事では円安になった要因と投資資産が昨年末からどう変化したのか確認してみます。
円安になった要因
さて今回の円安の要因をざっと調べてみました。
- 米国の利上げが加速する可能性
- 日本は金融緩和を継続する意向
- 日本の貿易赤字拡大
1については米国FRBのパウエルさんが3/21の講演でインフレ対応のため予想されていた0.25%の利上げから、0.5%利上げする可能性をチラつかせたから。
2については日銀の黒田さんが3/18に利上げはしない意向をみせたから。
これらについてはアメリカがドルの供給を絞る一方、日本は円の供給を拡大させるため、ドルの価値↑/円の価値↓となるためドル高/円安という流れは分かりやすいですね。
あと3の貿易赤字拡大は、エネルギー価格の上昇が原因です。
原油価格のチャートを掲載します。
日本のエネルギーは完全に海外に依存しているため、原油価格が上がると貿易赤字もすぐに拡大します。
日本の貿易収支を見てみると上記チャートの原油が高かった2012〜2014年ぐらいの貿易収支が赤字になっています。
っちゅうわけで、円安が加速しています。
直近5年間のチャートをみると急激な上昇具合が分かります。
もっと長期で見てみましょう。
超長期チャートで見ると最近のレンジ上限ぐらいまで来ています。
上限を飛び抜けると真空地帯に突入し、どこまで上昇するか分かりませんね。
投資資産の変動をチェック
さて円安が進んだところで、一般の人にとってはすぐに生活に影響するわけではありません。
しかし、投資している人にとっては瞬時に影響が出てきます。
例えば最近流行りの米国株なんかに投資している人にとっては影響が大きいですね。
ただ今起きている円安は投資資産だけを考えると日本人にとってはプラスに働きます。
米国株に投資するということはドルを買っているということで、円安ということはドルの価値が上がっているからです。
文章にするとこんな感じですが、もう少し踏み込んで考えてみます。
私は米国株全体に投資するVTIを米ドルで買っています。
昨年末からのドル円とVTIの値動きを確認します。
2021年末 | 2022/3/25 | 増減 | |
ドル円 | 115円/$ | 122円/$ | +6.06% |
VTI | $241.44 | $228.09 | -5.53% |
昨年末と比較するとドル円の価値は6%上昇し、VTIの価値は5.5%下落しました。
ということは行って来いでプラスマイナスゼロということです。
今年に入って株が暴落とか騒がれていますが、昨今の株価回復と円安の効果で結局プラスマイナスゼロとなっています。
個人的には株が下がると追加で投資するので、どっちでも良かったわけですが。
おそらくVTIに直接ETFで投資する人は少ないと思われるので、投資信託でVTIに投資できる楽天VTIの価格推移と比較してみます。
さっきのドル円とVTIの価格を掛け合わせて円に換算して、楽天VTIと比較してみます。
2021年末 | 2022/3/25 | 増減 | |
ドル円 | 115円/$ | 122円/$ | +6.06% |
VTI | $241 | $228 | -5.53% |
VTI×ドル円 | ¥27,792 | ¥27,848 | +0.20% |
楽天VTI | ¥20,094 | ¥20,005 | -0.44% |
VTI×ドル円をみるとちょっぴりプラスになっています。
この違いは経費率の違いでしょうか、いずれにしても誤差程度です。
楽天VTIをチャートでみてみます。
やっぱり昨年末と比較してプラスマイナスゼロとなってました。
あまりチャートや価格を見ていないので、勝手なイメージで下落していると思い込んでいました。
まとめ
円安効果を確認してみました。
海外資産に投資している人にとっては投資資産全体にかかってくるので、影響の大きい事柄ですね。
今回は円安なので投資資産的にはいい方向ですが、円高×株価下落となるとダブルパンチでやばいことになります。
リーマンショックの時がそうでした。
日本の今後の状況を考えると個人的には緩やかな円安方向になると見込んでいます(あくまで個人的意見)。
円安か円高に向かうかは分かりませんが、持っている資産が大きくなればなるほど、資産をいくつかの通貨に分散させるが重要になるのは間違いなさそうです。
じゃ。
資産運用についてHP風にまとめてます→くわにゃんの長期資産運用