5月になってから、セルインメイの格言どおりS&P500をはじめ世界的に株価が下落しています。
ここで疑問に思うのは、
「じゃあ、どこまで下落すんの?」
っていうところではないでしょうか。
今回はPERなどの株価指標を使って、S&P500がどこまで下落しそうなのか考えてみたいと思います。
PERを使ってS&P500の下落幅を考察す
現在の株価が割安なのか割高なのかを客観的に見る指標として、PERというのがあります。
- PER=株価÷一株当たりの利益(EPS)
詳しくは以下の記事にまとめています。
で、このPERは大体15ぐらいが適正と言われています。
PER=15ということは、先ほどの式から考えると、1株あたりの利益に対して株価が15倍の価値になっているということ。
言い換えると15年で株価分の利益を出せるということです。
S&P500は株式の集合体であるインデックスですが、S&P500全体のPERというのも公表されています。
以下最新のPERチャートです。
チャートを見ると現状のPERは17ぐらいなので、PER=15よりちょっと高めといったところ。
もう少し下がっても良いというところでしょうか。
コロナショック以降の回復局面では、PERは20以上となっていたので、かなり割高だったということが分かります。
で、先ほどは一般的にPER=15ぐらいが適正と書きましたが、もう少し詳しくみてみます。
PERと株価については、長期金利との関係がよく言われます。
そこで今回は以下の式で考えてみます。
この式を使ってPERの上限と下限を計算してみます。
米国の長期金利は3%とします。
- PER上限=1/(3%+3%)=16.7
- PER下限=1/(3%+4.5%)=13.3
という計算結果となり、適正価格ライン(赤色)を書き込むと以下のようになります。
このチャートからすると、長期金利をベースに見た場合、ちょうど適正価格あたりに入ってきたというのが今の相場というのが分かります。
で、続いてこのチャートはPERですが、実際の株価チャートに赤色レンジを入れることを考えてみます。
冒頭に書いたPERの式は
- PER=株価÷一株当たりの利益(EPS)
でした。
これをもとに株価を求めるために以下のように変換します。
- ⇔株価=PER×EPS
ということはEPSが分かれば良いということです。
S&P500の予想EPS=225ドル程度です(以下)。
これをもとに株価の上限、下限を求めてみます。
- 株価上限=16.7(PER上限)×225(EPS)=3,757
- 株価下限=13.3(PER下限)×225(EPS)=2,992
これをS&P500チャートに入れてみます。
これを見ると大体適正価格上限ぐらいというのが現状で、もう少し下落余地があると言ったところです。
今後は企業の利益と長期金利の動向次第か
PERから株価の適正価格を見てみましたが、これまでの計算を振り返ると、長期金利と企業の利益であるEPSが株価に影響していました。
EPSについては各社が予想を下げてきています。
また、米国の長期金利は急上昇しています。
先ほどは今後の株価予想として適正価格を赤のラインで入れてみましたが、ここに書いたようにEPSと長期金利の影響を多分に受けます。
今は米国のインフレ率が急激に上がっている状況で、それによって景気後退となるとEPS・長期金利とも影響を受けます。
ということはまだまだ下落余地があるということで、しばらくはおとなしく積立投資に専念しようと思っています。
じゃ。
資産運用についてHP風にまとめてます→くわにゃんの長期資産運用