ドル円が135円を突破し、1998年以来24年ぶりの円安水準になっています。
ニュースでもいろいろなものの値上げが続いていると報道されているように、私たちの生活レベルでも円安の影響が感じられるレベルにまでなってきました。
今回の円安の理由は以下の記事に書いたように、アメリカで進んだインフレを抑えるために実施されている利上げのためです。
アメリカやEUなどで行われている利上げとは対照的に日本ではまだ利上げを行う姿勢はないようです。
6/24に発表された日本のインフレの指標となる消費者物価指数は前年同月比2.1%上昇と、アメリカの8.6%と比べればまだまだ大したことはありません。
ただアメリカの場合はインフレ率がすごいと言っても給料は上がっているので日本の状況とはちょっと違います。
確かに日本の今のインフレ現状を考えるとまだ利上げは先かなといった感じですね。
そういう状況を市場は敏感に察知し、円キャリートレードなども活発になってきているようで、円安が進んでいます。
今年の初めが115円ぐらいだったので、ここ半年で20円も円安が進んだことになります。
これによって円資産は相対的に約17%も価値が下がったことになります。
日本人は欧米に比べてリスクを避ける傾向があると言われており、家計の内訳をみると半分以上が現金・預金となっています(以下)。
確かに銀行に預けておくことで、わずかな金利によって増えることを期待することはないにしても、少なくとも減ることはないため安心感はあります。
でも昨今の円安によって、日本人の金融資産は対ドル評価では確実に減っています。
先ほど掲載した図の金融資産からどれぐらい日本の金融資産が影響を受けたかざっくり計算してみます(現金・預金部分のみ)。
- 1,946兆円×54.3%(現金・預金)×-17%(円安)≒-180兆円
180兆円も資産が吹っ飛んだとなると、リスクを避けて現金・預金にしているはずが、逆にリスクになっているとも言えますね。
一見円安になったからと言っても預金残高自体は変わらないため影響がないようにも思えますが、グローバル化した今の世の中では輸入品の高騰などによってすぐに影響が出てきます。
これだけグローバル化した世の中では、やはり一つの通貨だけに資産を集中するというのはリスクになると思います。
そこで考えられるのが、自分の資産の通貨分散です。
日本人であれば円以外の通貨を持つということです。
円以外の通貨を持つとなると外貨預金などが思い浮かびますが、一番手っ取り早いのは海外資産に投資する投資信託を持つことです。
例えば、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)に投資をすると、以下のような通貨配分で資産を持つことになります。
これだと投資信託に投資するだけで資産の通貨分散もできたことになるので、難しいことを考える必要もなく楽にできますね。
個人的にはもともと将来的に円安になると予測はしていたので、資産の通貨分散を進めていました。
ただ、まだまだ道半ばといったところで、今は大体資産の半々ぐらいで円と外貨を持っています。
円についてはこれから先まだまだ給料として受け取るので、個人的にはほとんど外貨資産に変えてしまっても良いかなと思っています。
またもう少し投資資金が大きくなれば、FXでレバレッジ1倍で通貨分散をしても面白いかなとも思ってます。
いずれにせよグローバル化した世の中で全てを円で持つというのは、「全ての資産を円に投資した」ことと同じです。
投資という観点から見た場合「分散」というのがリスクを抑える基本であることを考えると、通貨の分散も重要かなと思います。
じゃ。
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