まった〜り資産運用日記

資産運用で日々学んだことや気づいたことなどを発信します

不安定化する世界。世界経済ニュースのまとめ

最近また株価が急落してきていますね。

VTIチャート

年初来からみると現状では−23.6%となっています。

いったいどこまで下がるのでしょうか?

 

最近の世界情勢を見ていると、日本の円安問題、中国の住宅バブル崩壊、世界的なインフレなど不安要素が多いですね。

 

今回は最近の世界経済ニュースをまとめてみようと思います。

止まらない円安

先ほど米国株に投資するVTIが−23.6%と書きましたが、同じETFに投資する楽天VTIの結果を見てみます。

楽天VTIチャート

年初来からの下落率はたった-2.29%です。

これはご存知の通り円安が進んでいるためです。

ドルベースでは−23%でも円ベースでは−2%ということはそれだけ円安が進んでいるということ。

 

ドル円チャート

年初来からみると34円も円安となっています。

これは日本がゼロ金利政策を続ける一方、米国が急速に金利を上昇させているためドルに資金が集中しているためです。

 

円安に対抗するため日銀は24年ぶりに過去最大規模の為替介入を行いました。

www.bloomberg.co.jp

一時は4円程度円高に振れましたが、今は元の水準まで戻ってきています。

円買い介入をするにはドル資産を売る必要があるため、限界があります。

 

そのため為替介入の効果は一時的で、そもそも金利差を解消しない限り円高に持っていくのは難しそうな状況です。

中国の不動産バブル崩壊

リーマンショック以降、中国は投資主導で世界経済を引っ張ってきました。

しかし最近になって中国のGDPの25%を占める不動産市場が不況に陥っています。

発端は負債を元に成長を続ける不動産会社に中国政府が課した3つの規制です。

 

これによりいくつかの不動産会社がデフォルトとなり不動産価格が下落し、建設中のプロジェクトも中止という事態に陥っています。

www.nikkei.com

そして中国地方政府傘下の投資会社、融資平台の債務は1100兆円にのぼり、これらが不安定化しているとのこと。

 

ちなみに1100兆円は中国GDPの50%、ドイツGDPの2倍だそうです。

リーマンショックによる世界の損失が1000兆円と言われており、融資平台の債務規模の大きさが分かります。

世界の関心は、中国政府がこの不動産問題をどうソフトランディングさせるかというところですね。

EU経済の崩壊

さて米国が利上げをするといつも不安定化するのがEU圏です。

経済が順調な時はいいのですが、景気が悪くなると金融政策はバラバラなのに共通通貨を使っているという矛盾からでしょうか。

 

EUで起きていることをいくつか取り上げます。

イタリアで極右政権誕生

まずはイタリアで極右主導の政権が誕生しました。

www.nikkei.com

これによりイタリア国債金利は急上昇(価格は急落)しました。

イタリアはもともと政府の借金が多く、これを解消するためにいろんな構造改革(国民に我慢を強いる政策)を進めていました。

しかし国民の我慢の限界が来て、大衆迎合主義色の強いばらまき型の財政政策をとると期待される極右政権を選んだという状況です。

 

これに対する世界世論は、イタリア国債の急落という形で現れています。

英国の経済失政

続いて英国でも混乱が起きています。

インフレに苦しむ英国のトラス新政権が、財政ばら撒き政策を打ち出しました。

news.yahoo.co.jp

これによって英国債とポンドは急落しました。

英国中央銀行がインフレ抑制に取り組む一方で、政府がインフレを進める政策をとったため経済は大混乱。

 

アクセルとブレーキを同時に踏んでいるような状況で、通貨の売られ方をみると新興国に成り下がったとまで言われています。

欧州のエネルギー問題

欧州のエネルギーはロシアに大きく依存しています。

特に天然ガス

欧州のロシア天然ガス依存※日経記事より引用

もともと昨年あたりから天然ガスの供給が制限され、価格が急騰していた中でのノルドストリーム(ロシア産天然ガスを欧州に輸送するパイプライン)の破壊。

news.yahoo.co.jp

あかんことになっています。

欧州の天然ガスの価格はノルドストリームからの供給が絞られ始めてから1年間で6倍ぐらいまで高騰しています。

欧州天然ガス価格※世界経済のネタ帳より

これから冬にかけてますます天然ガスの需要が高まるシーズンを迎えるにあたり、エネルギー価格の高騰が経済に与える影響が懸念されています。

米国のインフレ

米国のインフレが止まりません。

www3.nhk.or.jp

これによりFRBは急速な利上げを実施。

通常0.25%ずつじわじわと利上げするところを0.75%と異例の利上げを3回も行なっています。

  米国金利 前差
2022年2月 0.25%  
2022年3月 0.50% 0.25%
2022年4月 0.50% 0.00%
2022年5月 1.00% 0.50%
2022年6月 1.75% 0.75%
2022年7月 2.50% 0.75%
2022年8月 2.50% 0.00%
2022年9月 3.25% 0.75%

現在のFRBは超タカ派と言われ、インフレを抑え込むなら経済がダメージを受けても構わないという姿勢をとっています。

この根底にはインフレを抑え込まないとさらに経済のダメージが大きくなるという考えがあります。

 

ただ日本の状況とは少し異なり、米国経済は好調で賃金も前年比5%以上も上昇しています。

とはいえ物価は8%以上も上昇しているので実質的にはマイナスですが。

まとめ

最近の世界経済ニュースをまとめました。

いろんなところにほころびが生じ、どこかが崩れると金融危機にまで発展しそうな状況です。

 

リーマンショックの際は中国が大型投資を打ち出し世界の需要を補い、さらに各国の中央銀行の大幅な利下げとばら撒き政策により、なんとか乗り切ることができました。

ただ今回は中国にそれほどの余力もなく、さらに世界的なインフレによりばら撒き政策も取りづらい状況にあります。

 

こんな状況の中、さてどうしましょうか。

とりあえず未知の世界へ突入するということで、心を落ち着けて傍観しましょうか。

 

じゃ。

 

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