昨今の株価の下落を受けて動揺している方も多いのではないでしょうか。
投資の本などを読むと、「積立投資は毎月一定額を買い付けるため、株価が安い時にはたくさん買って、株価が高い時には少なく買うドルコスト平均法という戦略をとる」などと書かれたりします。
ドルコスト平均法では将来的な利益を考えると、株価が安い時が続きその間にコツコツと書い続ける方が、その後の株価上昇による利益は大きくなります。
確かに教科書通りでは上記の内容が正しいものの、私たちはどうしても以下のような利益のイメージを考えてしまいます。
要は相場は右肩上がりに上昇し、自分の投資結果も複利によって常にプラスの状態になることをイメージしてしまいます。
でも実際のチャートはというと、こんな感じです。
アップダウンを繰り返し、時には大きくマイナスになることがありながらも長期で見ると右肩上がりという感じです。
実際のチャートはこんな感じですが、どうしても投資を始めたばかりの頃は、毎日チャートをチェックし、自分の資産が今日は1%増えたとか減ったとかに一喜一憂しますね。
私も昔はそれが楽しみでした。
しかし我々長期投資家としては、このアップダウンの荒波を乗り越えなければなりません。
投資の格言にも「No free lunch(投資にタダ飯はない)」というものがあります。
格言となっているぐらいなので、タダ飯を食おうとして失敗した人がたくさんいたと言う事でしょう。
FXで損失が出てもロスカットが出来ず、最終的に数百万円の損失。。
私も投資でタダ飯を求めた結果大損したことがあります。
それはさておき、積立投資において私たちが支払う必要があるものは何でしょうか。
簿記の知識がある人なら分かるかと思いますが、利益は収益から費用を差し引いたものです。
商店がチョコレートを売る場合で超ざっくり説明します。
収益;チョコレートの売上=100円
費用;チョコレートの仕入れ=70円
利益;100円ー70円=30円
こんな感じです。
要は利益を得るためには収益(売上)があり、費用が必ずかかるというもの。
普通の企業活動を考えると当たり前のことですね。
これは投資でも全く同じです。
でも積立投資だとこの費用って分かりづらいですよね。
そこで以下に紹介した本に面白いことが書いてありました。
「積立投資における費用=ボラティリティ(株価のアップダウン)」とのこと。
個人的にはこの内容がすごくしっくり来ました。
積立投資では、初めに設定だけしてしまえば基本的にはやることがほとんどありません。
でも実際は頻繁に相場をチェックし、経済関係のニュースや資産運用関係のブログを見ては、
- 今が天井だから売り逃げたほうがいいんじゃないか?
- 底値になるまで待って、反転するところで購入しようか?
- 利益がたくさん出たので利確してしまおうか?
- 損失が拡大するのが怖いから今のうちに売ってしまおうか?
などなどの悩みが生じます。
私も日々悩みながら投資をしております。
でも、安心してください。
それらの悩みは投資を行う上で必ず生じる「費用」だと割り切ってしまえば良いんです。
先ほどの図をもう一度見てみましょう。
この図の左下の費用は、将来利益を得るために必要なものです。
費用がなければ、チョコレートの仕入れ費用を払わずに、チョコレートの売上を上げようとするものです。
資産運用ではボラティリティはつきものです。
ボラティリティがなく相場が上昇していくことはありません。
なのでボラティリティは将来の利益を出すために必要な費用だと割り切って投資と付き合っていきましょう。
【サイコロジー・オブ・マネー】から引用します。
投資をする人の多くは・・・代償を払わずにリターンを得ようとするのだ。
そのため、値下がりする前に売り、値上がりする前に買おうとするテクニックや戦略を採用しようとする。しかし少しでも投資をかじれば、ボラティリティが現実であり、よくあることだと気づく。
そして多くの人は、ボラティリティを回避しようとする。
だがお金の神様は、代償を払わずに報酬を求める人を好まない。
じゃ。
資産運用についてHP風にまとめてます→くわにゃんの長期資産運用