ロスチャイルド家については今も世界を裏で牛耳っているなどの陰謀論で取り上げられることが多いです。
そんな中、比較的中立的に書かれているということで読んだのが、林千勝著「ザ・ロスチャイルド 大英帝国を乗っ取り世界を支配した一族の物語」です。
いつも本はKindleで読むのですが、この本については電子版がなかったため、久しぶりに書籍を購入し夏休みの帰省中に一気に読みました。
帰りの新幹線で読み終わったのですが、降りる時に座席に忘れてしまい、今家にはカバーだけが悲しく残っています。
駅員さんは謎の怪しい本が所々折り目が付けられて置いてあると思ったことでしょう。
ということで記憶を頼りにロスチャイルド家について徒然なるままに書き綴ります。
こんな動画もあるので参考に。
先ほども書いたようにロスチャイルド家は陰謀論などで取り上げらることも多く、実際そういった本もあります。
この本に書いてある内容が全て史実かどうかという疑問が残る部分もありますが、世界のお金を牛耳っている人たちがどういった思考をするのかとても参考になります。
ロスチャイルド家についてざっくりと書くと以下のようになります。
- 1700年後半にユダヤ人マイヤー・ロスチャイルドから始まる
- マイヤーはユダヤ人が得意とする金融業で利益を得る
- マイヤーは5人の息子をヨーロッパの主要都市(フランクフルト・ウィーン・ロンドン・ナポリ・パリ)に送り込み情報ネットワークを作り、金融業をさせる
- ロンドンに送り込んだ三男ネイサン・ロスチャイルドが1815年のワーテルローの戦いの勝敗について情報網を駆使して莫大な利益を上げる
- 金融を武器に政界・王室への影響を持つようになる
- ロンドンをはじめ世界の中央銀行のシステムを作る
- 第一次世界大戦で莫大な利益を上げる
ロスチャイルド家の最盛期には世界中の富の半分を牛耳っていたという記述があり、その凄さが分かります。
今回の本は第一次世界大戦が終わるまで書かれており、今後続編が出る感じですね。
- フランスがロシアと戦い、ロシアに勝てば今度はイギリスに攻めてくるという状況
- フランスがロシアに勝てばイギリス公債は暴落、負ければイギリス公債は暴騰
- 情報網を駆使してネイサンはフランスがロシアに負けたという情報をキャッチ
- 通常ならイギリス公債を買うところ、ネイサンはイギリス公債を売った
- 周りの人は情報通のネイサンが売ったのだから、フランスが勝ったと思いイギリス公債を売り叩き、イギリス公債は暴落
- 裏でネイサンは紙屑となったイギリス公債を買いまくる
- フランスがロシアに負けたという報道によりイギリス公債暴騰
- ネイサン爆益
という流れです。
この時得た利益をもとに金融業、鉄道業でさらに利益を重ね、イギリス王室を借金まみれにして裏で操るようになりました。
ついには通貨発行機関である中央銀行設立にも携わるようになり、まさに世界の金融を操るようになりました。
第二次世界大戦までは世界の金融の中心はロンドンで、そこをロスチャイルド家が抑えていたということからもその影響力が分かります。
戦争についても彼らにとってはいいビジネスで、味方にも敵にもお金を貸し出し、メディアも操り、巧みに戦争に持っていく様は恐ろしささえ感じました。
旧約聖書にもいかにユダヤ人が虐げられていたかが書かれていますが、言葉では表せない感情の裏返しからこういった行動に出てくるのでしょうか。
読んでいて「国は持たないけどユダヤ人同士で連携して、世界を操作してやろう」という意志が感じられます。
この本は淡々と「〇〇年にネイサンが〇〇し、資産が10,000倍になった・・・」と事実を書いていくというスタイルで、退屈ではあるものの誇張がない感じで途中から慣れてきました。
是非続編が読んでみたい本です。
この本を読んでいると世界の金融を動かす層が考えることが見えてきます。
いつも時代も同じで悲しいかな「戦争はビジネスになる」という点です。
こう言った視点で今の世の中をみてみると違う視点が見えてきます。
紛争の影には必ず利益になっている層がいます。
今海外で起きていることについても、一番利益になっている国はどこなのか。
金融を動かす層が考えることは怖い。
メディアに踊らされず自分で考える一助になる本ではと。
じゃ。
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